【読んだ】爆走社長の天国と地獄 大分トリニータ vs 溝畑宏
元々判官贔屓な性質を持っている。かつ、少々素直ではない性格である。
大多数の人が、「A」と言えば言うほど、「本当に「A」何だろうか?」と思ってしまう人間である。
自慢じゃないが、小保方晴子さんの「あの日」も真っ先に読んだ人間だ。
さて、新年早々、愛するセレッソ大阪が2冠を達成したこともあり、セレッソ大阪の岡野前社長に思いを馳せた。また、チームの重要なキーマンである清武弘嗣を生んだ大分トリニータについて関心を持ち、その両者に共通するキーワードとして浮かんだのが、「溝畑宏」と言う人物である。
いち地方クラブである大分トリニータを、ナビスコカップ優勝にまで導き、一時は「地方クラブの星」などと各種メディアに取り上げられたものの、大分トリニータを崩壊させた張本人と言われ、大分トリニータをJ2降格させ、自身も社長を辞任したにも関わらず、自身は観光庁の長官横滑りし、わが町大阪にも深く関わっていると言う、経歴だけ見たらロクでもない人間のように思えてくる。
しかし、それだけの(世間的には)大失態がありながら、世の中から姿を消さないと言うのは何かある人物なのであろう、と言うことで氏に関する書籍を探したところ、amazonで見つけたのが、この本である。
著者が「オシムの言葉」などを手がけた木村元彦氏であると言うのも相まって、すぐに購入した。
私がこの本を読み進めるに当たって、常に意識した視点は以下の3つである。
①溝畑氏は大分トリニータで実際に何をしたのか
②溝畑氏は何がすごかったのか?
③溝畑氏は何がダメだったのか?
実際に読み進めて見ると、あまりにも生々しく読むのを途中でやめようかと思うくらいのエピソードが多い。もちろん真偽の程は別にして。
①については、本書の中で生々しく描かれている。もう少し細かく言うと
「そんなの『課長 島耕作』の中の世界だけだと思っていた!」
である。
②については、目的のためなら手段を選ばない、と言う氏の姿勢であり、
③については、個人が動く際に注意しなければならない「大きな枠組み」のことについてである。
本書を読み終わって、溝畑氏の大分トリニータへの愛は本物だったのではないか、という印象を持った。
しかしその反面「こう言うタイプの人間と関わりたくないな」と思ったし、だからこそ氏が大分トリニータを追われることになったんだろうな、と思った。
また、セレッソ大阪の岡野前社長はこんな人ではないと思ったし、岡野社長に対して申し訳ない気持ちが芽生えた。
この気持ちが私の判官贔屓的な発想に起因するものではないと思う。
最後になるが、現在の氏の姿を知りたくて
を訪問したところ、大変後悔した。
個人的な意見として、氏が●●ハラで話題になっても全く驚かない。しかしながらすごい人物だと言うのは認識できる1冊である。
何かをしようとしているが、逆境の中にいる人には、控えめにオススメしたい。